続・漫画「デビルマン」について

映画の失敗の要因として、原作の最初から最後までを詰めこんだから、という意見がある。シレーヌ編とか、ジンメン編とか、いくつかに分けて映画化すべきだったのではないか、と。ただ、シレーヌの話にしてもジンメンの話にしても、一つの完結した映画になるほどのドラマがないのよね。シレーヌ編なんてただ闘っているだけだし、ジンメンには一定のドラマはあるけれど、あの結末は「デビルマンの怒りに火を注ぐ」ためのものであって、あれを映画の結末にするとあまりに後味がわるい。てゆうか、ストーリーのどこで切っても後味が悪いんだけど。あの映画の落ちは一つしかない。ラストシーンね。

いや、そうでもないな。蜘のモンスターの話、あそこは良い区切りだな。いちおうのカタルシスがある。あそこで切ればよかった。後半は世界戦争の話だし。

ところで、文庫版のデビルマンはかなり作者による改変があるそうです(参考:http://www.asahi-net.or.jp/~WX5H-KTB/gofo/devarie4.html)。「新・デビルマン」からの、余興みたいなタイムスリップ・エピソードが入っているのはまだ良いにしても、原作のエピソードで大幅にカットされたところがあるのはいただけないよなあ。あと、オリジナルのエピソードに余計なシーンを加えるのはやめてほしい! ヘタな劇画調?のタッチがどうにも人工的な感じで好きになれない。オリジナルが天然乳だとすれば、新しい方の画風は、シリコンを入れた偽巨乳のようだ。上記の蜘の話も、最後に書き足しがあって、どうにも違和感が残る。オリジナルの、少年漫画っぽいタッチの方が絵に弾力とエネルギーがあってはるかに良いよ。あー、オリジナルにもっとも近いという「KCDX・完全復刻版全5巻 」を買い直そうかなあ‥でもそこまでするほど思い入れないんだよなあ‥。あーうー