呪怨2 (2003) ★★★

director: 清水崇、screenwriter: 清水崇

けっこう恐かったかも。前作と同じく、ストーリーなんてものはなく、ただひたすら登場人物全員が順番に呪い殺されていくという映画で、もう恐がらせる方のキャラが前作で割れているので、余計なストーリー設定のための雰囲気づくりも一切なく、もう気持ち良いぐらいに「恐がらせ映画」に徹しています。前作もまあ、「恐がらせ映画」だったわけですが、この「2」にくらべるともっと映画的な深みがあったと思います。その点、「2」は映像のスタイリッシュさも控えめだし、主演ののりぴーも微妙に大根だし、映画としては劣ると思います。でも! 恐さはこっちの方が上です。基本的に恐がらせようとする監督側と恐がるまいとする観客側の「勝負映画」なんですが、「さあ来るぞ来るぞ」と分かっていても今回はけっこう恐い。前作は「さあ来るぞ来るぞ、なあんだその程度か」って感じでしたが、今回は「さあ来るぞ来るぞ‥‥うっ、これはけっこうイヤかも‥」という感じ。特に今回は黒髪のイヤ〜な感じがかなりフィーチャーされていてよかった。なんか、伽耶子さんのワザもえらい多彩になってるし。オチはちょっと今いちだと思うけど‥。

しかしやっぱりストーリーないのは残念だなあ。今回のヒロインは「戦うヒロイン」になりそうでいてやっぱり戦わない。別に戦えばいいってもんでもないけど(リング2の「戦い」は相当ヒドかったし)、それでも戦うなり謎解きするなり、芯となるストーリーがないと観終わったとき、リアクションに困る。「ああ、みんな死にましたね‥で?」って感じ。ストーリーがあってこそ、「冥界からの母の助け」みたいな良いシーンが生きるんだけどなあ。あのシーンは非常によかった。清水崇監督はそつのない演出をするクレバーな監督だとお見受けするので、核となるストーリーを導入してもリングみたいにスベることもないんじゃないかな。

PS: DVD特典のメイキング。のりぴーはお茶目でかわゆし。てゆうか、メイキングで垣間見られるソツのないプロっぷりにのりぴーの微妙な大根さの原因が見えた気がした。ギラギラした感じがなくて、技術でシゴトしてるんだよね、このシト。