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オリコン音楽配信に暗澹たる気持ちになる数えきれない理由のほんの一部

前回のエントリーにコメントを頂きましたので(まことに有り難うございます。両者とも思いっきり知り合いですが。わらい)、もうちょっと書きたいと思います。

このオリコンサービスのニュースの何が depressing かって、去年までの、失敗し続けている「糞サービス」から、価格、制限などがまったく進展がないところですよ。もう、見事なまでに何の進展もない。マスコミなどでは「iTunes Music Store年内開始確実」という報道もあり、「3月スタート」「他国と同等の価格」という報道もあって、期待もしていたのに、このオリコン配信のニュースでその期待を叩きつぶされた感じですね。価格や制限事項に進展がないばかりでなく、オリコン社長のインタビューを読んでもわかるとおり、音楽文化に対する意識の低さ=出版・小売業界の都合最優先、文化・聴衆の軽視という姿勢にもまったく変化がない。本当にもう、絶望的なほどに。

で、前回へのコメントで「既得権」という言葉が出てましたけど、もうね、「既得権」という生優しい問題じゃないですよ、これは。再販制という天下の悪法がかかわっているからね。文化は特別なものなんだから、消費社会の競争原理からは保護されなければならないという理念のもと、長年業界は価格保護されてきた。「文化を商品としてとらえてはいけない」というのは理想としてはいいんですけどね、実態がともなってないわけですよ。「文化は商品じゃない」といいつつ、小池の発言観てわかるように、聴衆を「消費者」としかとらえてない。そして再販制による「文化保護」の実態は「業界保護」にすぎないんですよ。共産主義と同じで、結局上からの統制で末端を保護しようとしても、その末路は、権力者の保護に生きついてしまう。

だいたいね、再販制というのは、末端の小売のリスクを減らし、幅広く色んなものを流通させることによって文化を保護するという目的だったはずなんだけど、オレがかねがね主張しているように、「幅広く色んなものを流通させる」なんてことに再販制はまったく貢献していない。現実的は、タイアップやら、業界が強力にプロモーションするものばっかりが売れているじゃないか。地方の小さなCD屋は大手量販店によってどんどんつぶれている。再販制なんて機能してない。小売だって価格競争を厳しく制限する再販制をうとましく思っているところもあるはず。新古品とか、中古未開封品とか、そんなイビツな形じゃないと値引きできないなんておかしい。最近はDVDのほうが安いなんて状況も常態化しつつある。

業界はおびえているんだよね。時代が変わろうとしている。しかし自分らはどう変わったらいいのかわからない。長年法律で保護されてぬくぬくと業界内で足並をそろえてやってきたから、すっかり感覚が麻痺してしまっている。世の中で何が起こっているのかもわかっていないし、それどころか、文化とは何なのか、聴衆が果たす役割は何なのかということもまったくわかっていない。

聴衆をまきこんで活性化しないと、音楽文化は死ぬよ。業界の活性化ばっかりを必死に追い求めていると業界も文化も衰退する一方です。