女王蜂 (1978) ★★★

女王蜂 [DVD]


director: 市川崑
screenwriter: 日高真也、桂千穂市川崑

あらすじ:
大道寺家の娘、智子(中井貴恵)は19になる年に伊豆から京都にひきとられる予定だったが、父銀三(仲代達矢)のもとに何者かが脅迫状を送ってきていた。いわく、智子の母の琴絵(萩尾みどり)は魔性の女、女王蜂だった、群がる男は殺された、娘の智子もその血が流れている、智子が京都に来るとまた血が流れると。その予告通り、智子へ求婚する男のうち一人が大道寺家の時計台の中で惨殺される…。


リビュー:
うーん、微妙。つまらないというほどではないけど…。

どうも淡々としているというか、説明っぽいというか。そもそも、人物関係のトリックが中心の横溝作品って映画にしにくいんですよね。その難しさがもろに出ている感じ。きっちり説明されていて、観ている方も納得できるんですが、きっちり説明されているがために映画として平坦になっていて、ダイナミズムが欠けてしまっている。

あと、中井貴恵(新人)がいまいちやねえ。ほのかな狂気をはらんだ家の、高貴な血が流れている娘としては庶民的すぎる。もっと神秘性というかオーラがある女優にしてほしかった。演技も固いし、良いところない。映画の世界観にいまいちのめりこめないのよね。

ラストもどんでん返しとみせかけてあんまりどんでん返してないどころか、ずぶずぶのメロドラマに堕ちていってるし。よっぽど「★★」にしようかと思ったけど、まあ、駄目駄目ってほどでもないんでかろうじて「★★★」。