悪霊島 (1981) ★★

悪霊島 [DVD]


director: 篠田正浩
screenwriter: 清水邦夫

あらすじ:
時は60年代。刑部島の断崖からまっさかさまに落ちた男が絶命の際に言うことには…「あの島には悪霊がいる…鵺の泣く夜は気をつけろ」(うろおぼえ)。島を訪れた金田一(鹿賀丈史)の前に現われたのは妖艶な双子の姉妹、巴とふぶき(岩下志麻)、そしてその子で双子の真帆・片帆(岸本加世子)だった…。

リビュー:
うーーーーーん…出来がひどいわけではないんだけど…。どうも演出が単調かつ平坦で、観ていて入りこめない。ストーリーやトリックはけっこうおもしろいしそれなりに整合性はあると思うんだけど、山がないので観ていて「続きが観たい」とか「これはどういう謎なんだろう」と全然思えない。鹿賀丈史室田日出男古尾谷雅人伊丹十三石橋蓮司佐分利信(「獄門島http://d.hatena.ne.jp/ultravisitor/20050918#p1にも出てましたね)、岩下志麻というなかなかに濃いキャストも、平坦な演出の中で全然活きていない。てゆうか、鹿賀の金田一はなんとなく潔癖っぽい雰囲気で何考えてるかわからないし、正直いまいち…。フェアであることを意識したのか、謎解きの手がかりがわりと分かりやすく観客に提示されてるんだけど、そのせいで後半に入って落ちが分かってしまうのもなんだか興覚め。

それでも、「★★」つけるほどはヒドくないし、まあ「★★★」かなと思ってたんだけど、ちぐはぐで自己陶酔的なエンディングシークセンスで一気に印象が悪くなったんで「★★」に。いや、ゴミ映画ではないと思いますよ。同じく「★★」をつけたトヨエツ版の「八つ墓村http://d.hatena.ne.jp/ultravisitor/20050925#p1よりはずっと良い。でもつまらないものはつまらない。

ストーリーや設定が「八つ墓村」に近いんだけど、野村芳太郎に監督してほしかったな。