アカルイミライ (2003) ★★★★

アカルイミライ 通常版 [DVD]


director: 黒沢清
screenwriter: 黒沢清

あらすじ:
おしぼり工場で働く仁村(オダギリジョー)は生きることに漠然とした空虚感といらだちを感じつつ、何をどうしたら良いかわからずに漫然と毎日を過ごしていた。同じ職場の先輩、マモル(浅野忠信)は、一見、達観したような人物であったが、その柔らかな物腰の裏には底知れぬ闇をかかえているような、そんな人物だった。そんな二人を、工場の社長が気に入り、二人の世界に土足で上がり込んでくるようになった。二人のあやうい世界はバランスを失っていく…。

リビュー:
各方面からケナされている映画なんで、期待値はかなり低かったんですが、オレはかなり楽しめました。特に前半。まあ、見終わってみるとずいぶんとクサい映画だなと、ある意味ベタで青臭い映画だなと思うんですが、それも後半の展開の話であって、前半はミステリアスで冷たくて、しかもどことなくユーモラスでおもしろかった。主演のオダギリジョー浅野忠信、そして浅野の父親役の藤竜也、いずれも素晴らしい演技でしたが、特に浅野が良かった。個人的にはそれほど高く評価しているわけではない浅野忠信ですが、ここでの飄々とした演技の「自然な不自然さ」は見事で、映画に大きな余韻を与えてくれます。てゆうか、浅野がいなかったらこの映画ダメだったかも。非常にジョニー・デップっぽい存在感だなと思いました。と思ったら、All Movie Guideの浅野忠信の紹介で、ジョニー・デップとの共通点がしっかり指摘されておりますね。

まあ、わけわからんとか、あるいは逆にベタすぎるとか、どちらの批判も当たっていると思うのですが、ここは黒沢監督の過剰なまでの映像のスタイリッシュさ(あんな刑務所あるかい!)、そして個性派俳優たちの立ち振る舞い(ちなみに、はなわがはなわらしくない存在感で出ていて、このあたりの演出もすごいなあと感心…てゆうか、誰があの役をはなわで行こうとキャスティングしようと思うんだ?!)、そして、どこかユーモラスな雰囲気を、素直に楽しみたい、そんな映画です。

しかし浅野忠信の尻はなんであんなにぷりっぷりしてるんだろう。