グリーン・デスティニー (2000) ★★★★★

グリーン・デスティニー コレクターズ・エディション [DVD]

臥虎藏龍
director:Ang Lee
screenwriter:Wang Hui-Ling, James Schamus, Tsai Kuo Jung

あらすじ:
「絶えることのない悲しみ」の声を聞いて冥想修行を中断して戻ってきた武道の達人、リー・ムーバイ(チョー・ユンファ)は、青冥剣を手放して引退し、新しい人生を歩む決心をした。青冥剣は友人の高官の手に渡されるが、その屋敷には結婚をひかえた貴族のユィ長官の娘、イェン・シャオロン(チャン・ツィイー)が訪れていた。その晩、青冥剣が何者かに盗まれてしまう…。

リビュー:
「ワンチャイ」二本観たので、ワイヤー・アクションということでひさびさに「臥虎藏龍」(「グリーン・デスティニー」なんてダサいタイトルを止める奴はいなかったのか! 英語版でさえ「Crouching Tiger, Hidden Dragon」と原題に忠実なのに)を観ました。この映画はアメリカの劇場で最初に観て、その後何度も観ているんですが、若干テンポが悪いところがあったり、チョウ・ユンファミシェル・ヨーの関係の描き方がもう一つ足りなかったり、フェミニズムを一つのテーマにしているわりにはいつのまにそのテーマがうやむやになっていたり、いろいろ欠点はあるものの、その欠点を補うだけの素晴しさに満ちている映画であると思っています。この映画は、登場人物が跳躍するだけではなく、飛翔するのですが、その美しさといったら! もともと寂寥感に満ちた美しい映像と演出が得意なアン・リーですから、ワイヤー・アクションの新しい解釈だといえるこれらの「飛翔」シーンの静寂さは美しい緊迫感をもって観る人を魅了します。

それから言いつくされていることですが、なんといってもチャン・ツィイーチョー・ユンファミシェル・ヨーという二人の大スターを完全に食っているこの小娘、アクションシーンも見事、破天荒で我儘な貴族の娘を演じたその演技も見事、そして何より美しい。深い悲しみをたたえたラストシーンには、やはり今回も涙がこぼれてしまいました。

意外にもこの映画を悪く言う人もけっこういるのには本当にびっくりです。しかも「空を飛ぶのが興覚め」とか「ラストが意味不明」とかいうわけのわからん理由で。ふだんどういう映画観てる人たちなんでしょうかねえ。まあ、オレみたいな人間が褒めても大して説得力ないだろうから、以下のようなまともな人が書いたリビューを参考にしてくださいませ。

http://www.ne.jp/asahi/hp/mastervision/archive2000e.html#GREENDESTINY
http://www.allmovie.com/cg/avg.dll?p=avg&sql=1:201837