SF/ボディ・スナッチャー (1978) ★★★★

SF/ボディ・スナッチャー [DVD]

Invasion of the Body Snatchers
director:Phillip Kaufman
screenwriter:W.D. Richter

ナハハ、けっこうおもしろかったです。

1956年の同名クラシックSFホラーのリメイクである本作を借りようと思ったのは理由がありまして。オレが好きなPolarというエレクトロニカのヒトがいて、そのヒトの曲でこれまたオレが大好きな曲に「White Walls/The White Chamber」という組曲(?)があるんですが、そこでサンプリングされているSF映画らしいセリフが何かずっと気になっていたんですね。で、いろいろ調査した結果、この「Invasion of the Body Snatchers」だと分かったわけです。ホントはオリジナルが借りたかったんですが、会員になっているぽすれんにはこのリメイク版しかなかったので、しょうがねーや、とりあえずリメイクの方を観てみるか、と思って観たら、サンプリングされていたのはこっちのリメイク版の方でした。うれし。

と、他人にとってはどうでもいい話はおいておいて、本作ですが(どうでもいいけど、この邦題の「SF」ってのは何なんだ? だっせー)、かなり良かったです。まあ、「宇宙から飛来した植物細胞によって人間が一人一人コピーされてすりかえられていく」というストーリー自体がいかにも50年代で古いし、あわせて、このリメイクは70年代の雰囲気がプンプンしていて、そこもまた古臭い。

でも! その馬鹿馬鹿しさ、古臭さ、ダサさがいいんですね〜、邦題のダサさは許せないけど。

とにかく、CGがないのが心暖まる。特撮は基本的にゴム造形で、そのチープさが実にビンテージな感じで良い。映画もちっとも恐くないけど、無理に盛り上げないで、淡々とした演出で進んでいって、古き良き70年代ニューシネマの最後の息吹も感じる(監督は、のちに「ライトスタッフ」「存在の耐えられない軽さ」「クィルズ」を撮るフィリップ・カウフマン)。加えて、時に現代音楽風、時にジャズ、時にC級SF風、時にバリバリのエレクトロになる変化自在の音楽も素晴しい(Denny Zeitlinというヒトで、このヒトはジャズミュージシャンだそうです)。

あんまり真面目に観る映画じゃないですが、B級な雰囲気はたっぷり味わえて良いです。系統としては「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」系に入るこの映画、この系統の映画を観ていて共通して感じる関心は「もう完全に四面楚歌だし、このまま行っていったいどうオチをつけるの?」ということにあるのですが、この映画のオチは、まあ、けっこう笑えてよかったです。いやまあ、笑いごとでもないんだけど。ということで、わりとオススメ。

そうそう、フランク・ザッパの「ジョーのガレージ」(1979)の中の、ザッパファンには有名なフレーズ「The white zone is for loading and unloading only」の元ネタもこの映画の中に発見してうれしくなったり。ザッパは馬鹿馬鹿しいSFが好きなことで知られてますが、このボディ・スナッチャーズも好きだったんだろうなと思うと頬がおもわずゆるみますです。

★★★★★でも良いぐらいの好印象。