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阪急・阪神統合確実に

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タイミングが良いというか良すぎるというか、仕組まれたタイミングじゃないかと疑いたくもなりますが、村上ファンドの村上代表がニッポン放送株売りのインサイダー取引疑惑で任意聴取を受けたことにともない、村上ファンド側が折れて阪急の阪神株TOBに応じ、TOB成立が確実になり、阪急と阪神の経営統合が確実になりました。これは色々な意味ですごいことです。

しかし、阪神ファンの間では、村上ファンドに勝った!とこの流れを歓迎する風潮もありますが、おいおいちょっと待てよと言いたい。おまえらそれでええんかと。

北大阪または兵庫地区に住んだことのない人には分かりにくいと思うけれども、阪急と阪神というのはまったく違う社風なんですよ。ほとんど水と油と言って良いぐらい。いや、会社として対立しているかどうかは知りませんが、阪神の文化と阪急の文化は本当に違う。

地理的な話をすれば、兵庫というのは関東で言えばイメージ的には神奈川なんですが、神奈川と決定的に違うのは、山の存在ですね。大阪と神戸三宮を結ぶラインの地域(=阪神間)というのは、六甲山などの山が海岸と並行して連なっているので、平地が狭い。阪神間の大学の多くは山腹にありますが、校舎から海を眺めると、非常に海が近い。ようするに阪神間は南北が狭いわけです。その南北が狭い横長の狭い地域に、阪急、JR、阪神の三本が並行して走っているのが阪神間の鉄道勢力地図なわけです。阪急が一番山の手、阪神が一番海側、JRがその間を走っています。

湘南なんかじゃ、海寄りの方がステータスがはるかに高かったりしますが、阪神間の海沿いは基本的に工業地帯なんで、山の手の方が高級です。つまり、基本的に阪急沿線は高級指向で、阪神沿線は庶民的と相場が決まっています。ものすごく乱暴に言ってしまえば、阪急は「神戸的」で、阪神は「大阪的」なのです。

で、阪急電鉄阪神電鉄の文化もそれを反映しています。阪急は上品。小豆色の車両もどことなく綺麗だし、乗客もなんとなく上品。宝塚歌劇を創立したのも阪急。阪急ブレーブス(現オリックス)が強さに反してどうしても人気が出なかったのは、この阪急の上品な体質も影響したと思われます。全体にどことなく女性的で、それは阪急グループのウェブサイトを見てもらうと分かります。下の方に「阪急沿線スタイル」というメニューがありますが、そこには女性のイラストが使われています。別に女性のイラストなんて珍しくないと思われるかもしれませんが、これが「阪神沿線スタイル」だったら…と考えると、こういう女性のイラストは絶対そぐわないだろうなと言うのは阪神間に住む人間の共通した意識なんじゃないかと思います。

http://www.hankyu.co.jp/

また、阪急が最近押している阪急独自の多機能ICカード兼クレジットカードの名前は「HANA plus」で、ここで「HANA」なんてネーミングをするところに、阪急文化の女性的な側面をあらわしているように思います。ところでひかるたんカワイイよひかるたん(*´Д`*)ハアハア

http://hanaplus.jp/

対して阪神電車のイメージは焼き鳥屋で焼酎飲んでるオッサン(独断)。車両は肌色とオレンジまたはブルーの二色で、どことなく地方線っぽく垢抜けない。乗客も非常に庶民的で、阪急とたかだか2〜3キロしか離れていないのにこんなに客層が違うものかと驚きます。東京では見かけない種類のオッチャンオバチャンをたくさん見ますね。阪神グループのホームページも地味やなあ…。

http://www.hanshin.co.jp/

で、西田ひかるをイメージキャラクターに押し出す阪急に対し、阪神のイメージキャラクターはトーマス・オマリー。いや、ほんとだってば! 阪神の駅や社内広告には「球場に瓶や缶を持ち込んだらだめだお」と諭すオマリーが嫌でも目につきます。あと、阪神梅田駅で見た阪神ナイターのキャッチフレーズには笑った。曰く、

− 通勤ラッシュは辛いけど、これが全員阪神ファンやと思えば…

あつかましっ!w この「全員阪神ファン」と言い切るあつかましさ、しかも「んなわけないやろっ!」と言うツッコミを待っているとも感じられる確信的ボケ。ここに阪神文化の「大阪」っぽさを痛烈に感じます。自社カードに「HANA」とネーミングする阪急には考えられないセンスやね。

というわけで、阪神と阪急が経営統合するって簡単に言ってもですね、こりゃおおごとなんですよ。この企業文化の違いはどうするのよ、と。

阪神文化と阪急文化が合体したらどうなるか。当然阪急文化が勝ちますよ。なぜ? そりゃ阪急の方が大きな会社だからですよ。オレは経営の専門家じゃないから印象論でしか語れないけど、小さな支線を除けば大阪梅田と神戸三宮の間にとどまっている阪神電車と、阪神間の他に、西宮から宝塚方面、そして梅田から豊中吹田などの北大阪方面、さらには京都まで伸びている阪急電車と、営業距離を比べるだけで段違い。また、大阪梅田を知っている人には明らかですが、あそこは完全に阪急天下。どこを向いても阪急の息のかかった施設だらけ。阪急系列のホテルなんてたくさんありすぎてどれがどれだか訳がわからなくなるほど。対して阪神の存在感は非常に小さい。阪神優勝時に阪神百貨店が頑張るくらいか。巨大なアーケードを持つ阪急とは比べ物にならない。

だから、経営統合するといっても互角の統合になんてなるわけないんですよ。村上ファンド憎しで阪急との統合を喜んで良いのか。これって要するに阪神の身売りちゃうの? 村上から逃げたい一心でこんな一大決断をこんなにあっさり簡単に通していいの? 現在の阪神経営陣はとんでもない歴史的判断をくだしたんじゃないの?

そういう思いが抜けないですけどね。オレだけですか? まあ、オレは「自称」阪急文化圏の人間なので(現自宅は明らかに阪神の方に近いんだけどw)、阪神が阪急化しても全然かまわんけど、そんなんでいいのかなあ…。それとも阪神グループが阪神文化圏の人々に信望がないから正直どうでもいいって思われてるってこと?