落選かけん審査通知に思うこと

昨日、落ちたかけんの審査通知が来ますた。去年は「なんで落ちたんじゃゴルァ!」と怒ったりしていたわけですが、今年はもうちょっと冷静です。ここ最近、関連異分野のかけんグループに研究協力者としての参加を誘われてミーティングしたり、近隣に関連分野の別のかけんグループの研究者がいると聞いてアポとって話を聞きに行ったりして、しかるのちに我が身を振り返ると、なるほどオレのかけん計画書は甘いなと反省したのであります。

オレのかけん計画書は、基本的に「オレはこういう研究してます。だから金くれ」という、まあ、投げやりといえば投げやりな感じだったんですけど、こうして色々なかけんグループの人に話を聞くと、彼らの研究計画案というのは、ほんまに実現できるんかいな?!と思う側面もありますが、ともあれもっと野望と夢がありますね。前述した二者がどちらもわりと異種格闘技的なかけんグループなため余計そう感じられたということもあるかと思いますが、オレの「今のけんきゅうをけいぞくかくだいしたいでっす」的な、夢のない研究計画とは違うなと、こう思った次第です。

同時に、一人での申請が複数研究者のグループ申請よりも不利な理由がわかった気がします。以前は、複数研究者グループの方が有利なのは、単純に数の問題かなとか、複数の方が箔がつくからかなとか単純に考えていたのですが、それよりも、やっぱり研究計画案に幅が出るということが大きいんでしょうね。やっぱ一人で計画書を書いて、夢と野望を示そうとしても、なんせ研究者というのは狭いトピックを深く掘りさげるものなので、どうしても幅が出にくい。しかし複数の研究者が集まれば幅が出るのは当然だし、ノリで突飛なアイデアも出やすいと思う。一人でアイデア考えてもねえ、自分の限界が分かっているからあんま無責任なアイデアって書けないんよね。複数の研究者でアイデアを出し合えば、誰かがなんとかしてくれるんじゃないかという無責任な期待感もあってちょっとぐらい無謀なアイデアでも出せそう。と適当な予測を。

というわけで今年かけんを出すかどうかは思案どころです。複数研究者のグループをぶちたてるエネルギー&時間が今年あるか、微妙、というかたぶん無理。今書いている論文をまとめるのでさえ手一杯なのに。かといってまた一人で申請しても現状では採択は無理だね。

あと、柿柳さんが以前「かけんひ採択されたら書類書きが増えてかえって研究できないので少ない額のかけん費ならとらないほうが研究が進む」(意訳)というようなことを書いていて、そのあと隠しコメントで「嘘ぴょーん」と書いてましたが、あながち嘘でもないような。オレは今、10人近くの大型かけんグループに所属してますが、末端なので書類書きとかほとんどないのにお金だけは使えて非常にお得な感じ(ただ代表者が予算を一括管理しているのでオレ自身の分担金は形式的にはゼロなため、研究予算獲得の実績にはならない)。これが研究者筆頭だったり、あるいは3、4人ぐらいの小さなグループだとそういうわけにもいかないでしょう。

とか色々考えると、ということで現段階では無理して個人でかけん申請する意味はあんまないかもと思ったりもするのです。