教育基本法改正とか、国歌国旗判決とか

国歌国旗の教師に対する罰則付き義務化が違憲だという判決…については、意見が出尽くしている感じですし、オレが何て言うかは大体予想がつくと思いますが、そこをあえて言えば、この判決は当然だと思いますね。

オレ自身、頑に起立・斉唱を拒否する教師に対して、正直アホちゃうかと思うんだけど、それを罰則で統制しようとする都には、ほんと度量が狭いなあとしか思えませんね。

大体、愛国教育を規則や罰則で統制するというのは、行政側の敗北宣言以外何ものでもないと思うんだけどね。

ちなみに、インターネットを見て回ると、罰則付き義務化が当然だとするブログや社説の中には、「反国歌国旗の原告教師たちは明らかに反国家反社会的なんだから、処分されるのが当然」とあるんだけど、こういう踏み絵的飛躍が一番恐いんだけどねえ。そういう自覚まったくないんだろうね。

話はかわって安倍晋三が総裁になって、次期首相になるわけですが、こいつが教育基本法改正を最優先課題の一つにすると言っているのがどうもねえ。愛国や道徳に関するごく一般的な文言を入れるというのは別に構わないけど、それ以外の提案がどうも…。「大学を9月入学にして、4月から9月には奉仕活動を義務化」って、頭おかしいんちゃうかと思う。ブログの無責任な思いつきレベルの提案を本気で実現させようとしてるんだから驚く。いや、本気じゃないのかな。スケープゴート的に適当なことを言っているだけかも。

とりあえず、奉仕活動を義務化したら教育が良くなるだろうなんて、ド素人の考えることですよ。

義務化よりも、自分で考える力、自分をうまくプレゼンする能力、そういうのを伸ばさないと日本の教育レベルは世界の競争力から取り残されるよ。こどもというのは打算的なものなんだから、そのためには「自分で物事を考えて、それをちゃんと表現できれば、それが得になるんだ」と分からせる教育システムにしないと駄目な訳ですよ。しかも相手はこどもなんで、「将来得になる」という長期的展望じゃ効果がなく、「受験で得になる」という形にする必要がある。そういうことを真剣に考えて欲しいね。「奉仕活動を義務化」とか、熱血体育教師みたいなナイーブなこと言ってないでね。

まあ、「9月入学、奉仕活動義務化」なんて実現するわけないけどね。これを実現するためには乗り越えるべき事務的問題が多すぎるわりに期待できる効果が低すぎ。

「教育バウチャー」はまあ、「ボランティア義務化(笑)」案よりはマシだと思うんだけど、こういう、「生徒が教師・学校を評価する」システムは、安倍の考える保守思想とは本来相容れないものだと思うんだけど、それはいいんだろうかねえ? 儒教的な日本の伝統的道徳の良さは、「師を敬い、弟子は師の言うことは理屈をこねずに従う」というところにあったんじゃないの? 「父親や先生の言うことは黙って聞いていればいいんだ!」と言ってたのは保守派の人じゃないの? 今は子供がどんどん「理屈」をこねて、教師に対して「権利」を主張するようになっていて、教育バウチャー制はその風潮を加速させると思うんだけど、それはいいんかな?

オレは全然かまわないんだけどね。保守派の連中、そのへん分かってやってんのかなあと、人ごとながら心配になります。

以上。