要塞警察 (1976) ★★★★

だいぶ前に観た映画の、だいぶ前に書いて未アップロードの感想文。これもカーペンター映画。閉鎖される予定だった13分署にたまたま居合わせた少人数の人々が、その隔離された環境で、死をおそれぬギャング集団に襲撃されるというスリラー。

本作品はカーペンター監督の2作目。デビュー作の「ダーク・スター」もええかげん超低予算だったが、本作も低予算。だけど決して安っぽい映画ではない。カーペンターらしいぞっとするようなサスペンスあり、ユーモアあり、ささやかな友情とヒロイズムありと、ほれぼれするような出来です。AllMovieGuideで「映画学校の教科書になるような映画だ」と書いてありましたがさもありなん。西部劇の「リオ・ブラボー」とロメロの「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」へのオマージュであると言われていますが、前者は未見なのでなんとも言えず。でも確かに非常に西部劇っぽい。襲いくるギャング団はゾンビそのもの。非常にクレバーなオマージュであります。

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ところで、この邦題とジャケ画像は正直どうかと。「Escape from New York(ニューヨーク1997)」人気にあやかったんでしょうか。確かにある意味「Escape...」の原型とも言える作品ですが、設定的にはSF色は皆無だし、主人公は黒人の警官だし、全然この写真と違うんですが…。「要塞警察」という邦題がその誤解を加速させていますが、フツーに街中で起こるフツーに現代劇ですから。