ラテン車はなぜアメリカで売ってないのだろう

日本での輸入車のシェアは、メルセデスBMW、VWのドイツ勢で70〜80%近くを占めると言いますが、ラテン車も都市部ではけっこう見かけます。特にプジョー(フランス)とアルファ・ロメオ(イタリア)は日本で健闘してますよね。ぼくの日本の地元でも、アルファとプジョーの車はしょっちゅう見かけます。

しかし、アメリカではラテン車はさっぱり見かけません。アメリカにおける「外車」と言えば、まず日本車、そしてメルセデスBMW、VWのドイツ勢で圧倒的なシェアを占めています。他は、ボルボ(スウェーデン)、サーブ(スウェーデン/アメリカ)、それにヒュンダイ(韓国)ぐらいですかね。キーア(韓国)もたまに見かけます。ところがラテン車はまったく走ってません。プジョー、ルノー、シトロエン(以上フランス)、アルファロ・ロメオ、フィアット(以上イタリア)など、まったく見ないですね。

ちょっとだけ調べたところやはり現在はアメリカにはラテン車は輸入されてないようです。なぜ? やはりアメリカ合衆国はゲルマン民族が建てた国だから、やっぱりゲルマンなドイツかスウェーデンの車しか受け入れないわけ? でもまあ、日本は全然ゲルマンじゃないしなあ。

詳しく調べるのも面倒なので調べてませんが、プジョーのウェブサイトを見ると、アメリカには1992年まで輸出していたが、現在のアメリカの基準を満たしていないため、アメリカ輸出をやめたそうな。再開の予定もないらしい。確かにアメリカの車の基準はかなり厳しいらしいと聞きます。ラテン車はことごとく基準を満たしてないということなんでしょうかね。アメリカ向けに少しメカニックデザインをいじれば基準をパスしそうなものですが、それをやったときのコストと採算の見込みを考えたとき、売らない方がマシということでしょうか。ラテン車はアメリカでもある程度成功すると思いますが(特にプジョーとアルファは受けそう。シトロエンもけっこう行けそう)、「ある程度成功」程度では採算が取れないということなのかもしれません。商売って難しいですね。

しかし、Wikipediaによれば、フィアットは遅くても2020年までにアメリカでの販売を再開する計画があるらしい(噂らしいけど)。さらにアルファ・ロメオとランチア(ともにフィアットの子会社)は2010年ごろまでにアメリカで販売再開するとか。ちょっとまで倒産の危機にあったフィアットですが、最近勢いがあるようですね。

ちなみに、アルファ・ロメオ、ランチア、フェラーリというそうそうたるイタリアのプレミアムカー会社はいずれもフィアット傘下ですが、これらの強烈な個性を持つ3つの会社の親会社が大衆小型車オンリーのフィアットというのはなんだかおもしろいというか、イタリア車って深いと思ったり思わなかったり。

いや、思ったんですけど。