引っ越しのあいさつについて今さら

ketketさんの「invisible-runner」の「マンション購入記」シリーズが好きで楽しみにしているのですが、引っ越しの際の隣近所へのあいさつのドタバタ(失礼)を書いた「マンション購入記その39」と「マンション購入記その40」(まだ「引っ越しあいさつ」話は続きそうですが)がおもしろかったので反応。反応といっても「うちはこうだったなあ」とか言う、落ちも何もないつまらない話ですが。

うちは去年の秋に引っ越ししたんですが、中古マンションなので、当然引っ越してきたのはうちだけ。ketketさんのように新築マンションに引っ越すということは全員が一斉に(?)引っ越しの挨拶を前後左右の人にするわけで、想像もつかないスゴい世界です。イメージ的には、挨拶する人同士が廊下でかちあったり、右どなりに挨拶に行こうと思ったら、右どなりの人がその右どなりの人に挨拶に行くところで追いかけっこになったりとか、そういう状況が頻発しそうです。もっとも、ketketさんのとこを読む限りではそういうこともなさそうです。当たり前か。

さて、うちの場合の挨拶がどうだったかを思い出してみますと。うちのマンションはバブル期に建てられた代物で、投資目的なんだか、セカンドハウスとしての購入なんだか良く分かりませんが、人が恒常的に住んでいない戸が妙に多い。かくいううちの戸も(以前書いたことがあった気がしますが)、某有名会社の社長だか会長だかが同じマンション内に持っている4戸だか5戸だかの物件の一つを買ったもので、20年の間、人がほとんどあるいはまったく住んでいなかった戸なのであります。

そんなだから、引っ越ししてきて、お菓子を4つほど買ってきて、下・隣・上の戸に挨拶に回ろうとしたのですが、まず下は永らく人が住んだ気配がない。挨拶に行ったが当然留守。さらに左隣は人が住んでいる気配はあるのだけれども、セカンドハウスとして使っているのか、どうやら月に数回しか来ていない様子。よって、挨拶に行ったがいなかった。月に数回しか来ないんじゃつかまえるのも大変だし、無理してつかまえて挨拶してもあまり意味ないかもしれない。ということで左隣の挨拶も断念。うち戸は角なので、右隣はない。ということで次は真上です。真上はいたので挨拶してお菓子を渡したら、どうやら管理組合の理事長さんらしく、延々管理組合の抱える問題の愚痴を聞かされた。でもまあとりあえず一戸分はお菓子がはけたので良かった。

さて、あとはどうしよう。お菓子はあと3つ残っています。じゃあ真上の戸の隣のうちに挨拶しよう。ところが、そのお宅のドアに行くと、インターホンが故障中との貼り紙が。いきなりドンドンと戸を叩くのもなんだかためらわれて、ここへの挨拶は中止することに。真上じゃないしいいかということで。まだお菓子は3つ残っています。ということで、階を降りて、同じ階の、隣あっていないお宅に挨拶することに。うちの戸のある階はうちを含めて3戸しかないし、隣あってないとはいえ、ふだん顔を合わせることも多いだろうからということで訪問。奥様が在宅していて、めでたくお菓子がもう1つはけました。

残る鵜お菓子は2つ。挨拶まわりって、タイミングを考えたり、怪訝な顔をされないだろうかとか、意外に気を遣うことがわかり、一気に面倒になってしまいました。ということで残りのお菓子は結局、交替で勤務している2人の管理人さんにあげました。最初の計画とはなんだか違うけど、お菓子がはけて良かった。

ketketさんが書かれているように、やはり近所付き合いはドライというか、昔の小津映画にあるような、醤油を貸し借りするような雰囲気にはならないもので(というかこちらもそうする気は全然ないのだけど)、引っ越しの挨拶も意味があるんだかないんだかと言う雰囲気もなきにしもあらず。挨拶に行くとなんだかびっくりしたような顔をされるし。それでも頻繁に顔を合わせるご近所さんにはやっぱり面通しした方が良いなというのが今回の経験の結論です。実はインタホンが壊れていたため躊躇して挨拶しなかった真上の隣の戸の家族とはその後意外にエレベータで会うことが多いことがわかり、しかし引っ越し挨拶をしそこなっているため、エレベータで会ってもなんだか距離感が微妙というか気まずい気がして、嗚呼、やっぱりインタホンが壊れていても戸をドンドン叩いて挨拶すれば良かったなと後悔したりしています。かといって今さら挨拶に上がるのも変だし。

そんな感じ。ちなみに渡米しての今の住居は賃貸ですので、短期ということもあって挨拶はしてません。