天国の口、最後の楽園 (2001) ★★★★

監督:アルフォンソ・キュアロン、主演:ガエル・ガルシア・ベルナルディエゴ・ルナ

「アメリカン・パイ」もびっくりの、ぶっとんだ性描写満載の青春映画だが、それとは裏腹な、淡々としたナレーションと展開がしみじみとした余韻を残す佳作ロードムービー。登場人物が衣服を一枚また一枚脱ぎ捨てていったその先がメキシカン・ネイティブたちの、滅び行く楽園だったというのがまたはかなく、美しい。主演の二人の男の子の演技も素晴らしいの一言。ただ、あけすけな性描写の連続に、ちょっとあざとさというか、偽悪的な作為を感じないでもない。

それより、何よりも、エンディング・テーマがフランク・ザッパの曲だというのに度肝を抜かれた。たぶん、こういう、インディー映画じゃない映画でザッパがエンディングテーマに使われるのは最初で最後ではないだろうか。映画より、そのことにしみじみと感慨と感動を感じてしまった、元ザッパ狂として。