おくりびと (2008) ★★★★

監督:滝田洋二郎

アカデミー外国語映画賞作品。題材が大変興味深い、コメディタッチの人間ドラマ。とにかく主演の本木雅弘が素晴らしい。山崎力も盤石。しかし広末涼子がいただけない。ヒロスエはヒロスエにしか見えず、映画の登場人物には見えない。広末が出てくると雰囲気がぶちこわし。それはともかく、この特異な題材を、打ち震えるような感動譚として描けた監督の力量は素晴らしい...が、後半はその「泣かせ」のパターンにも食傷気味に。本木とその父との確執と「和解」もどうにも安っぽく、観ていてしらけてしまった。アカデミー取ったのも題材勝ちだろう。同じくアカデミー外国語映画賞を取った黒澤の「デルス・ウザーラ」(1975)と比べるとやはり隙が多くて劣る。が、一見の価値あり。