その名にちなんで (2006) ★★★★

監督:ミーラー・ナーイル、主演:カル・ペン、タッブー、イルファーン・カーン

インドからのアメリカ移民一世と二世を描いたジュンパ・ラヒリの同名小説の映画化。ニティン・ソーニー(この人もインド系…イギリス人だが)による優雅でインド的かつ西洋的な音楽、美しい画、エレガントな演出、そして主演女優のタッブーの憂いをたたえた美しさで最初から観るものを引きずり込む。父親と息子の関係性、特に息子の精神的な変遷がもう一息描き切れていないという部分はあったと思うが、大変良い映画。家族、異文化といった普遍的なテーマを持ちつつ、描かれるインド文化の圧倒的な美しさと存在感にやはり引き付けられざるをえない。