アバター (2009) ★★★★

監督:ジェームズ・キャメロン、主演:サム・ワーシントン

IMAXシアターで観なければしょうがないと思ってIMAXシアターに高い金払って観てきた。3D効果は正直、10分経てばだいたい慣れて飽きる。特に「3Dだからすごい」とは思わなかった。しかし3D云々をおいておいても、この映画のCGアクションは素晴らしかった。SFアクションでこれを超える映像は当分出てこないのではないか。

ストーリーは「もののけ姫」もびっくりのエコロジー物語だが、「もののけ姫」と違うのは、ものすごーく分かりやすい勧善懲悪具合である。そのせいで政府軍が完全に悪役となっており、アメリカの保守層から「反米的映画」との批判を受けることとなった。しかしこの映画を「反米的」と批判することは、自国の外交に後ろめたさを感じていることの証拠である。

この映画のサブテキストを近年のアメリカの軍事活動に観る事は用意だが、オレはそれより、西部開拓 vs.ネイティブアメリカンという、アメリカの「原罪」をえぐるようなストーリーだと感じた。アンチ西部劇というか。ステレオタイプすぎるエコでニューエイジな展開に頭痛がする瞬間もあったが、同時に、ここまでアンチ侵略・アンチ環境破壊な映画がアメリカでヒットするという構図に思いを馳せるとそれだけでおもしろい。キャメロンのことだから、それがどの程度意図的かわからない(むしろ何も考えていない可能性も高い)が、馬鹿映画のふりして、色々と考えさせられるところもある映画である。