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「既得権益を犯さない範囲内での革新」なんてもう通用しない

この記事のタイトルを見て思いました。

スマートフォン市場、乗り遅れる日本勢 巻き返し懸命

記事の内容は大して重要ではありません。そうじゃなくて、「乗り遅れる日本勢」というタイトル。なんか、ここ10年そんなのばっかりです。(例外がハイブリッド車?)。スマートフォンしかり、携帯音楽プレイヤーしかり、音楽配信しかり(流行っているのは音楽ファンを馬鹿にした着うたサービスばかり)、そして電子出版に関しても、「新しい時代の幕開けだ」という前向きな姿勢よりも、「既得権益を死守するぞ」という後ろ向きの姿勢しか感じられなくて、暗い気持ちになります。

ちなみに、アップルのiTunes Storeでは、映画やTVドラマの配信を積極的に押し出していますが、日本のiTunes Storeには映画もドラマもほとんど配信されてません。ソニーミュージックはアメリカのiTunes Storeでは音楽配信していますが、日本のiTunes Storeでは未だに配信してません。別にiTunes Storeで配信すればいいというものではありませんが、どうも、発想や思想が排他的というか、閉鎖的というか、後ろ向きというか。

それで、iTunes以外の配信サービスが隆盛だったらまだいいんですが、そんなこともなく、ただただ「既得権益は渡さない」という姿勢のみが先行し、既存のビジネススタイルにひきこもっているだけという印象があります。

なんか、そんなんばっかなんですよね。既得権益を犯さない範囲内で、無難な技術革新をやっていこう。基本的にそういう姿勢。「既得権益を犯さない範囲内」という縛りが常につきまとう。

でもそんな姿勢じゃ、じきに「失う物がはなからない」中国(や韓国)に抜かされるだろうし、「既得権益」をもっていないがゆえに破壊的で斬新なアップルのアイデアにも太刀打ちできないでしょう。「既得権益」がどれだけ足かせになるか。現在のマイクロソフトのプレゼンスのなさを考えてみてください。もちろんアップルも20年後は「既得権益者」となって落ちるかもしれません。それほどまでに「既得権益」というのは恐ろしい、東京湾に沈められる者の足首にくくりつけられるコンクリートの重しのようなものなのであります。

話は変わりますが、政権交替して本当に良かったなと思うのは、この国がどういう権益のパワーバランスで動いているのか、考える機会が与えられたということだと思います。公正な政治なんてない。あるのは政治的駆け引き。そんな当たり前の事実を真剣に考える機会がようやく国民に与えられたという。そのなかでどんな勢力を応援すべきなのか。戦後、こんなに真剣に国民が考えている時代は、自民党長期政権時代にはなかったでしょう。

で、ここで痛感するのは、既得権益を持っている者たちの強力な駆け引き能力です。アホな人々は表層的な政治家の動きやら事務所費やら政治資金の申告の間違いやら、そういう本質的でないところで目くらましをくらっていますが、本当に注視すべきなのは、それぞれの政治家がどのような権益者の影響下にあるかということでしょう。

そして一つ言えるのは、既得権益に振り回されるようじゃ日本の国際競争力は駄目だということです。結局、既得権益者の考える保身的アイデアじゃ国際的な競争は勝ち得ない。日本を変えられる、日本にパワーを与えてくれるのは、失う物がない切れ者です。そういう奴らが暴れられる社会にならないと、もうじり貧ですよ。既得権益の保守が中心の国家運営なんて没落する貴族社会を守るようなもんです。

ということが上記の記事のタイトルを見て猛烈な勢いで頭をよぎりましたのでここに記しておきます。