ロリータ (1962) ★★★

監督:スタンリー・キューブリック、主演:ジェームズ・メイソン、スー・リオンピーター・セラーズ

キューブリック監督作品としては時期的に「スパルタカス」(1960)と「博士の異常な愛情」(1964)の間に位置する作品。ピーター・セラーズがロリータを追いかける大学教授役だと思っていたら違った。セラーズはどちらかといえば脇役で、「博士の異常な愛情」で炸裂するコメディ演技をここでも見せているが、少々浮いている。

ナボコフの原作は読んでいないが、もっと複雑な背景と複雑な物語があるらしい。しかしキューブリック版のこの映画ではそのあたりが削ぎ落とされて、どちらかといえばライト・コメディになっている。その結果、「ただのロリコン親父が少女にメロメロになる話」になっている。少女役のスー・リオン(「リオン」なの? 「ライオン」じゃなくて?)は予想していたより可愛く、オッサンを手なずけるドSぶりも素晴らしい。

一億総ロリコンの日本でリメイクしたら成功しそう。