男はつらいよ寅次郎忘れな草（第11作） (1973) ★★★

director: 山田洋次
screenwriter: 山田洋次、宮崎晃、朝間義隆
madonna: 浅丘ルリ子

あらすじ：
「故郷を思う夢→タイトル→柴又帰り→ケンカ→再び旅」と、いつものルーチンをこなした寅、旅先の網走で流しのキャバレー歌手、リリー（浅丘ルリ子）に会う。同じ「ヤクザ者」として共鳴した二人。その二人がまた柴又で再開する…。

リビュー：
これぐらいの出来だと、寅さん映画ファンとしては判断できない。良いのか悪いのか。だってすごくちょっとしたことでジーンとするし。かといって傑作というわけでもないし…。

今回のマドンナ、浅丘ルリ子はいままでの寅さんシリーズのマドンナとはかなり趣きが違う。今までのマドンナは多かれ少なかれ優等生的だったけど、今回のマドンナは簡単にいえばチンピラ。いつもは説教される寅が逆に説教するシーンもあったりして、なんか不思議な感じ。

終わり方もあっさりしていて、寅も意外にこういう「現実的」な相手に対しては冷静に状況判断できるんだな、と。寅が冷静なだけに話自体はわりに淡々としています。地味に良い話ですね。しかし浅丘ルリ子は変わらないね。