獄門島 (1977) ★★★★

獄門島 [DVD]

director: 市川崑
screenwriter: 九里子亭

あらすじ:
旧い因習が残る終戦まもない瀬戸内海の孤島、獄門島。その跡とりがマラリアで戦死してしまった。「俺が死ぬと、妹三人が殺されてしまう」…跡とりが死に際に残した言葉の真意を探るため、探偵金田一耕助が遣わされた。そうこうするうちに、三人娘が次々に殺されてしまう…しかも何か象徴的な形で…。

リビュー:
市川昆&石坂浩二コンビの横溝正史映画第三弾。おどろおどろしいんだけど、やはり一作目「犬神家」の迫力には遠く及ばない。てゆうか、かなりオーソドックスな話ですた。ひねりがあまりない。キャラの演技が大袈裟なのも気になった。間違いなく演出の問題。だけど、地味な舞台設定に派手目の豪華キャスト(石坂浩二、大原麗子、浅野夕子、東野英治郎、大地喜和子などなど)なんで、それで許せてしまう感じ。特に若い大原麗子の華は素晴しく(おそらく横溝映画の歴代ヒロインのベスト)、三枚目かつ男前の石坂浩二とともに、これでもかと画的に映画をもりたてます。

↓まだ顔に丸味があってかわゆし
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あと、「犬神家」でもコミックリリーフ的な役回りで存在感を見せていた坂口良子がここでも似たような役で登場、映画の華やぎに貢献しています。

↓かわゆし
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ストーリーは先に書いたように、わりに普通。猟奇的な設定も意味ありそうであんまりなく、市川昆の画も安心して観てられるものの、スタイリッシュな映像ギミックは空まわり気味(「犬神」のときでもそうだったけど)。ということで★★★程度の映画だと思うけど、横溝映画は好きなんで、★一つおまけ。