携帯プレーヤー課金、2年間見送り 文化審小委が方針

このニュース、朝日でしか報道されてないんだけど、11日(まだ5日先じゃん!)にまとめられるものの草稿が漏れたということだそうです(後に挙げるリンク参照)。

携帯プレーヤー課金、2年間見送り 文化審小委が方針
http://www.asahi.com/culture/update/1105/001.html

 iPodなどの携帯デジタル音楽プレーヤーを購入すると、早ければ来年度から徴収される可能性があった「私的録音録画補償金」の適用が、2年間見送られる見通しになった。適用の是非を議論してきた文化審議会著作権分科会法制問題小委員会が11日に取りまとめる報告書の原案が、政令改正による課金はせず、同補償金制度そのものを07年度までに見直す方針を打ち出しているため。制度の問題点を指摘する意見が、同委員会の内外で強くなっていた。
(中略)
 政府の「知的財産推進計画2005」が、07年度までに私的使用目的の複製のあり方について制度改革をすると決めており、それにあわせて現在課金されていない携帯プレーヤーやHDDレコーダーなどデジタル機材全般への課金を検討する。

なんか微妙な感じの内容ですが、とりあえず2年は延びたということで、オレもパブリックコメントを送った甲斐があったというものです。

しかし、何度も言うけど、「現在課金されていない携帯プレーヤーやHDDレコーダーなどデジタル機材全般への課金を検討」って、どう考えても「論理」としては無理でしょ(それをゴリ押しするのがヤツラですが)。これらの機器に手持ちの音源を複製することが「権利者の損失」になる理由が皆無だからです。持っているCDや配信で買った音源をiPodに移した瞬間、どういう「損失」が出るんだっつーの。

結局、これらの課金を正当化するには、「私的使用目的の複製」を全面禁止するしかない。つまり、「たとえ自分で買った音源を自分で聴く場合でも、複製したらその瞬間権利者にお金を払わなければならない」という風に著作権法を変える必要がある。

でもね、それっておかしいでしょ。もしそうなったら、CDを買って、それを通勤通学で聴くのに「携帯CDプレイヤーで聴く場合」はお金がかからないけれども、「携帯デジタルプレイヤーで聴く場合」はお金がかかるということになる。そりゃ不条理ってものですよ。「携帯アナログプレイヤーで聴く場合」はどうなるのかという問題を考えあわせても、とにかく、「私的使用目的の複製」を全面禁止するなんてまったく筋が通ってない。

要するにね、お金が欲しいんでしょ? だったら「ハードウェアに灰色の税金」をかけるんじゃなくて、自分が売るソフトの値段を値上げすりゃ済むことでしょ? そっちの方がよっぽど筋が通ってる。無理矢理な屁理屈で理不尽な名目の金を徴収しようとするんじゃないよ。

参考リンク:
法制小委(第9回)を前にして、とんでもない情報(?)@エンドユーザーの見た著作権
http://himagine9.cocolog-nifty.com/watchdogs/2005/11/post_a9e2.html

法制小委#8 ──予定にないパブコメ中間発表があってもなくても議論は絶賛紛糾中@試される。
http://himagine9.cocolog-nifty.com/kitaguni/2005/10/13/index.html