私大の出願者

先日、大学が気にするのは偏差値より志願者数だと書きましたが、代ゼミが2007年度の一般入試志願者数データを分析しています。→こちら

全体としては私大の志願者数は増えたそうです。が、代ゼミが分析している通り、日程増など受験機会の増加も影響しており、手放しでは喜べませんね。うちも日程が増えました。ただ、日程増やすのもこれで限界でしょう。一方、大学進学率も上昇していると思われると代ゼミは分析しています。これは大学側としてはありがたい話ですが、これもすぐに頭打ちになるでしょうし、喜んでばかりもいられませんね。

代ゼミによれば、センター入試(センター試験の成績のみ、あるいは大学個別の入試とセンターの成績を組み合わせる入試選抜方法)が8%増加していて、一般入試の増加率を上回るそうです。これも、一般入試廃止論者のオレからすると嬉しいニュースではありますが、現況では、私大入試におけるセンター入試は国立志願者の滑り止めになっているため、歩留まり(合格者の中で実際に入学手続きをする人の割合)が非常に低く、拡大ができない状況です。正直、8%増加ぐらいでは大勢に変化ないと言って良いでしょうね。

ちなみに、志願者が増えた私立大学は4割、減ったのは6割だそうです。

代ゼミのデータでおもしろかったのが、「志願者の多い大学30校」(50校載っているのになんで30なんだろう)。文字通り、志願者数ランキングで、志願者数・増減データの他、募集人数や(見かけ上の)競争倍率が載っています。オレはこういうデータを見るのは初めてなので、とても興味深かったです。へー、この大学、意外に志願者数多いんだなあとか。ちなみに大学関係者と受験産業関係者には自明のことですが、ここに掲載されている「競争倍率」は、志願者数を募集人数で単純に割ったもので、本当の倍率ではありません。募集人数はあくまで定員ということで、先日書いたように、各大学ともかならず定員オーバーの人数を文科省に怒られない範囲で採りますので、入学する人数は募集人数より多くなります。そして、合格者が全員入学手続きをしてくれるわけもないので、合格者数は入学者数よりずっと多い数が出ます。ですから、代ゼミデータでは倍率10倍とか20倍とか景気の良い数字が並んでいますが、実質倍率はほとんどの場合、2〜5倍の範囲に収まります。

以上、雑感でした。私大関係者の皆さん、貴方の大学は志願者数ランキングの中にあったでしょうか?