iTunes StoreがYahoo!の推奨サービスに

iTunes Store (iTS)が攻めの姿勢を強化しています。数年前ならありえないと思われたDRM無し楽曲販売が始まり、iTS Japanには、ようやくワーナー・ジャパンが楽曲提供を始めました(USではWarnerはとっくの昔に参加済み)。日本の大手レーベルでiTSに参加していないのはソニーぐらいです。日本以外の国ではソニーはiTSに楽曲を提供していますから、「日本だけは、Walkman/moraの最後の牙城として死守したい」という思惑が強く感じられます。しかし、オーディエンスとしては、そんな企業の都合に振り回されるのもたまったもんじゃありません。ソニーが自社契約アーティストを「人質」に取っていると批判されても仕方ないでしょう。

さて、そんな中、iTS JとYahoo Jが提携しました。これまでYahoo Jでは、ソニーのレーベルゲート(タイプするだけで胸糞悪くなる名前)と提携してmoraをダウンロードサービスとして採用していましたが、今回、iTSと提携開始したということです。

 これまでYahoo!ミュージックではレーベルゲートとの提携により、ATRAC形式の楽曲を配信する音楽配信「Yahoo!ミュージックダウンロード」を展開していた。6月14日からはATRAC形式の楽曲を配信するサービスの名称を「Yahoo!ミュージック ダウンロード on mora」と改称。新たにiTunes Storeに対応した「Yahoo!ミュージックダウンロード on iTunes」を開始し、2つの楽曲形式に対応する。

(中略)

 今回のiTunes Store対応により、Yahoo!ミュージックの検索結果のうちiTunes Storeで購入できる楽曲はiTunesのアイコンを表示。また、Yahoo!ミュージックダウンロードのログイン時に利用する音楽配信サービスを選択できるようになった。ログイン後は選択した音楽配信サービスの検索結果が表示されるが、ログイン前の標準状態ではiTunesのみが検索結果にアイコン表示される。

http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/18461.html

ということで、iTS JがYahoo!ダウンロードのデフォルトのサービスになった模様。楽曲が売れるたびにYahoo!に手数料が入る仕組みですから、ビジネス的には当然の判断なのかもしれません。この提携で、「iPhoneはやっぱりソフトバンクか」という憶測が飛び交っています。以前もソフトバンクの孫社長スティーブ・ジョブズの基調講演を聴きに来ていたりということがありましたし、しがらみが少ない「新興」勢力のソフトバンクが、他の「既存」勢力が警戒して二の足を踏んでいる新興巨人Appleとの提携に踏み込むことは、十分に考えられるでしょうね。