ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:序 (2007) ★★★

オレは青少年のころ漫画が大好きだったのだが、なぜかアニメには興味がなく、ガンダムもマクロスもエヴァも観ていない。ということでこの度志願して観させていただきました。

3番目の幾何学的な使徒がカッコ良かった。あれはなかなかに独創的だなあ。とはいえ、闘い自体は全体にものすごく行き当たりばったりでテキトーな作戦に基づくので、画がカッコいい!と思っても緊迫感が生まれてこないのが残念。いや、緊迫感を放棄したところこそがポイントなのか? あと、なぜ皆シンジ君とレイに対してあんなに思いやりがないのか、理解に苦しんだ。いきなり中学生を巨大な人造人間の前に連れてきて「さあ乗って」って無茶振りだろ、そら! しかもそれを拒否すると(そりゃそうだ)、こんどは半死の別の中学生を引きずりだしきて放り出して…っておまえら鬼か!

…というツッコミを期待するコントかと思って笑ってしまった。

てか、シンジ君が悩んでいるけど、ファーザーコンプレックスとか自我に関する悩みとか以前に、あんだけ回りの大人に無茶振りされたらそら悩むでしょうよ。無茶振りやめないとシンジ君の本当の「心の葛藤」が浮かびあがらないんじゃないの? と思ったんだけど。

でもまあ、たぶんこの無茶振りしまくりのサディスティックなドラマこそがこの映画のポイントなのかもしれない。とりあえず今回は「序」だし、闘いのシーンがカッコよかったということで★★★。