リメンバー白熊

「なんで1年半で車変えるの?」「しかもなんでグレードダウン?!」「意味わかんない!」とスーパー同居人ちゃんに言われつつ(半分嘘です)、次の車を決めてしまったオレ。その納車を明日に控え、白熊とのお別れも近づいて参りました。お別れ前にファイナルラン、乗り回したい!…という気持ちはあるものの、下取りに出すので、傷ものにしたり走行距離1000kmプラスしたりするのも人としてどうかと思うので、白熊はじっとガレージで大人しくしています。

白熊は個性的かつ上品な車で、駐車場では遠くから見てもあきらかに他のヘッポコ車(失礼)とは異なるオーラと存在感を醸し出していました(と自己満足)。スーパー同居人ちゃんも白熊はお気に入りで、特にアイボリー色が「おいしそう」ということで気に入られていたようです。

ところで、こちらのブログ(pepの大阪日記)で「昔からイタリア車の基本として、『ドライバーがクルマの中心に座る』ようにデザインされていること!ってのがあります」と述べられていますが、白熊はどうでしょう。

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2 ドアということもあり、運転席はクルマの中心よりさらに後ろにある感じです。思いきったフォルムですね。さらに、両端でふんばるように車体を支える小さなホイールがいい。白熊の弱点は真正面からの見た目で、これはけっこうカッコ悪いんですが、他はデザインにスキがありません。胸はって自慢できるところです。

内装は、よくオフ会なんかでお世辞で「さすがおしゃれですね」とか「高級感ありますね」とかお褒めのことばをいただいたりしますが、最初はぼくは「そっかなあ?」と思ってました。というのも、かなーりシンプルなんですよね、白熊の内装って。アルファあたりのやる気にあふれた内装の麗しさとは比べ物にならんと思います。…しかし、長く乗っていると、このシンプルさが好ましく思えてくるんですね。おしつけがましくないから飽きがこない。メーターのバックライトがグリーンなのも今の車には珍しく、はっきりいって地味ですが、落ち着きます。ハイ。まあ、パンダや500とまったく同じデザインのデュアロジック(D.F.N.)のシフトレバーはご愛嬌という感じですが。

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革シートは車のシートというよりほとんど家具という感じのシートで、ホールド感はありませんがゆったりと座りやすいシートでありました。

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全体に突出したところはなく、そんな「小さな高級車」というほど豪華な車でもないんですが、枯れた技術をうまく盛り込んで、使い勝手として不満なところはほとんど皆無でしたね。ゴージャスでもないかわりに手抜きの部分もなく、安心して身を任せられる車でした。

1.4L、 95馬力(だっけ?)のエンジンも、不足なく良く走ってくれました。たぶんほぼ同じエンジンであろうチンクエチェントの1.4L 100馬力エンジンのスポーツモードに比べると、大人な感じのセッティングで、瞬発力より、3000回転ぐらいからじわっと盛り上げてくれる感じでした。かったるいデュアロジ(D.F.N.)も、引っ張り気味に運転すれば軽快に走ってくれるし、オートモードは、ギア操作ないくせにアクセル踏みっぱなしを許さないというワガママぶりで、この「ギア操作のないけれどもアクセルワークだけはMTじゃないと駄目」という操作感は慣れればかなりおもしろいです。少なくとも、1日試乗したチンクのデュアロジのオートモードよりはずっと運転しやすい。

とはいえ、最終的には、「やっぱD.F.N.はマニュアルモードだな」という結論にいたりました。その理由の一つは、信号にて速度を落としていく時、オートモードだと低速域で積極的にシフトダウンするため、 3速から2速、それから2速から1速にシフトダウンするとき、けっこうガクっとつんのめる感じになって不快なんですね。いっぽう、マニュアルモードでは限界まで高いギアをキープするので、この問題がない。

いや、てゆうかそれ以前に、この2004年式のデュアロジ、もといD.F.N.は1速 2速がどうも扱いづらい。1速は特に急な坂道において、踏み込みが足りないとガクガクするし、あと、トルクが細いので1速発進がとろく、かつ、この時代の D.F.N.の「ガッチャン!」というギアチェンジがおっそいので、信号青になったときに交通の流れをリードするのはかなり難しいです。いったん速度にのれば(3速以上は)快適そのものですが、どうもこの1、2速の扱いづらさが気になった。

さらに、チンクエチェントを試乗して、「手前に引いてシフトアップ」のデュアロジを体験してしまうと、「押してシフトアップ」の白熊D.F.N.が我慢ならなくなります。…いや、我慢ならないほどではないですが、どうも、運転しながら「ああ、これ、アップダウン逆にできねーのかなー」とつい思ってしまいます。

ここの部分がなければ、白熊にももっと長く乗っていたと思うんですが…。

でも、日本全国よく走ってくれました。リメンバー白熊!

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で、次期車ですが、試乗してないので、ホントに白熊より上記の点において優れているのか、謎であります。(おい)