96時間 (2008) ★★★

監督:ピエール・モレル、主演:リーアム・ニーソン(「ダークマン」「シンドラーのリスト」「スター・ウォーズ エピソード1」)

元政府の特殊工作員?の主人公は、家庭を顧みなかったせいで離婚。愛する娘ともたまにしかあえずうらぶれているが、その娘がフランスで、ツーリスト誘拐・売春組織のギャングにさらわれてしまった!

リュック・ベンソン製作・共同脚本のアクション映画…ということで、こりゃ大味さは避けられないだろうと覚悟して鑑賞した。しかし、娘が誘拐されるところまでは、ドラマも比較的丁寧だし、元工作員の主人公の冷徹ともいえるプロフェッショナルな対応もあって、「もしかしたら緻密な頭脳戦になるか?」と思った。

…が、アクションになるといきなり大味。その後も、ところどころ緻密な所作が観られるが、アクションはやはりいきあたりばったりで大味。緻密と大味の間をジェットコースターのようにかけめぐる。

てかさあ、ツーリストを誘拐して薬付けにして売春させるって、手間とリスクの割にあんまり儲かるとも思えないんだけどなあ。普通に、「大金持ちの継父の商売敵」が仕組んだっていう設定の方が良かったんじゃないかなあ。あと、誘拐犯の電話の声を分析するだけで、犯罪組織や声の主の名前だけでなく、娘を取り戻すまでの時間の猶予(96時間)まで割り出せるんなら、汚職警察官が毎月集金に訪れているギャングのアジト(普通の街中のアパート)だって、その段階で分かるんじゃないの?

なんて、野暮なツッコミですね。まあまあおもしろかったです。マット・デイモンの「ボーン」シリーズ…と比べるのは酷か。