踊る大捜査線 THE MOVIE (1998) ★★★

監督:本広克行、主演:織田裕二、柳葉敏郎、深津絵里

織田裕二って、早朝で眠いという設定のときも、徹夜続きでぐったりしているという設定のときも、刺されて重傷負っているという設定のときも、入院しているという設定のときも、常に肌つやがつるっつるで目がきらきらしてさわやかな織田裕二やね。

それはともかく、先に「THE MOVIE 2」を観てしまったせいかもしれないが、「2」に比べるとだいぶマトモ! 割といけてる。犯人をつきとめるまでのプロセスが、子供騙しっぽいながらも、いちおう一つの流れになっている。「2」は本当に滅茶苦茶だったからねえ。

また、「2」では湾岸署の誰も捜査にまともな貢献をしておらず、犯人がつかまったのはほぼ単なる偶然だったが、こちらでは、いちおう、主要登場人物が少しずつ貢献している。役立たずだが態度だけは異様に無礼な深津絵里も今回は「あ、わかった」と一カ所だけ、ほんの小さな貢献らしきところを見せる(その推理に説得力があるかどうかは別として)。あと、小泉今日子がマジ不気味で、ここは良かった。

とはいえ、「おいおい、えらいやっすい『羊たちの沈黙』のパクリやなあ」とか、「こいつ犯罪のエキスパートなのに警察署に死刑台があると思ってたんかい!」とか、「本庁幹部が暗い円卓みたいな部屋にこもって指示しているけど、どこやねん、その部屋?」とか、「えっ、暗い円卓部屋のお偉いさんの声、パトカーの無線にも直接届いてんの?!」とか、「こらこら、刺されて重傷なヒトを動かしちゃだめでしょ…ええっ、こんな重傷のヒトを巨大団地の11階から1階まで歩かせるの?! 傷口が開いちゃうでしょ! 止血して担架来るの待てよ! ほらほら、スローモーションでこんな苦しい表情して…そら痛いわ!室井はアホか!」とか、思わず笑ってしまう突っ込みどころは色々ある。でもでも、「2」よりずっとマシ!

最後に、室井役の柳葉敏郎の大根演技はもはやネ申。