殺人遊戯 (1978) ★★

director: 村川透
screenwriter: 播磨幸治、佐治乾

殺人遊戯 [DVD] 松田優作のカリスマ性と独創性には誰も異論がないところだと思う。けど、なんかもうひとつ作品にめぐまれてない気がする。まあ、まだ数本しか観てないけど、「人間の証明」はゴミみたいな作品だったし、代表作に数えられる「最も危険な遊戯」 http://d.hatena.ne.jp/ultravisitor/20041208 も、映画としてはもう一つだったしなあ。でも今いちな「最も危険な遊戯」も、この「殺人遊戯」にくらべりゃ全然ましだね。

「最も危険な遊戯」はストーリーが破綻していたけど、今回は逆。ストーリーが単純すぎ。対立するヤクザの両方から殺しを頼まれるという設定からして、「用心棒」/「荒野の用心棒」的な頭脳ゲーム的展開になるのかと思いきや、何も起こらない。ドラマもなく平坦。ギャグもスベる。ただ漫然と、スリルのかけらもない銃撃戦が展開するだけ。そうそう、この「スリルのなさ」が致命的だね。「最も危険な遊戯」にはそれがあった。「殺人遊戯」にはそれがない。「優作が弾撃ちゃ敵が倒れる」このくりかえし。だから「銃撃戦」にもなってない。

退屈すぎて思わず早送りボタン押しちゃったよ。まあ、優作はカッコいいし、雰囲気はあると思うんだけどねぇ。村川監督って、臨場感のある、どことなくセミドキュメンタリー的な生生しい画をとったりする一方で、なんでこんな演出するかなあ?と疑問に思うところもたくさんあって、そのちぐはぐさが残念。あと、前作に続いて、あいかわらずハードボイルドと男尊女卑をとりちがえているシーンもあって興覚め。

次作「処刑遊戯」はけっこうおもしろいらしいので観てみたいと思います。