24 -TWENTY FOUR: Season 1 (2001) ★★★

キーファー・サザーランド。テレビドラマ(ケーブル)。

遅ればせながら観た。24時間の出来事をリアルタイムで追うアクション・サスペンス・ドラマで,一回1時間の24回完結。実はけっこうワクテカしながら観始めた。見終わって,思ったほどおもしろくなかったな,と。

最初は結構良かった。なんせ何もわからない。誰が,いったい何の目的で,事をどう進めようとしているのか。そしていったい誰が裏切り者なのか。ドラマは深夜0時スタートで,そのインソムニア的閉塞感とともに,固唾をのんでドラマを見てた。なんかところどころプロットに穴があるような気がしたが,まあ,「24時間ぶっとおしドラマ」なんだから,少しぐらいの穴があってもいいだろうと。

ところが,時間が経って夜が明けて朝,そして昼になるにつれて,少しずつ事件があきらかになり,それとともに,「あれ?あれ?あれれれ?」という具合にプロットの穴があちこち目立ち始めて。

そして次第に登場人物の行動にイラつくようになるのだ。おまえはアホか! そこでそう動くから話がややこしくなるやん! …そう,そこがポイントなのだ。このドラマは,24時間の間中,サスペンスが止まってしまわないよう,常に数人の登場人物がアホな行動をして状況を悪化させ,観る者をイラつかせるというおそるべき「イライラドラマ」だったのだ。

それだけじゃなくて,演出や脚本の陳腐さも目につく。車のなかに○○を残して××が車をおりたら,重みで車がずり落ちてしまって崖下に転落してド派手にちゅどーん!!と大爆発するシーンでは,観ていたぼくとスーパー同居人ちゃんは思わず爆笑してしまった。あまりの陳腐さと馬鹿馬鹿しさに。でも○○はなぜか全然平気で生きていて(なんでやねん!!),一方,××は車が爆発するのを観てショックで記憶喪失に(だからなんでやねん!)。このへんになると製作スタッフもやけくそなのかもしれん。

あと,最初の数時間では恐ろしく完璧かつ綿密に行動していたテロリストたちが,後半ではザルのような作戦を連発するのにも失笑。「テロリストに監禁されていた娘が,見張りにコーヒーぶっかけただけで逃亡できたシーン」では,「おいおい,テロリストさん,えらい脇が甘いな」と突っ込みを入れたくなり,しかも「コーヒーぶっかけて逃げるそのシーンでは,手近のドア(鍵もかかってない)をあけたらあっさり屋外!←おいおい,大切な人質をそんな逃げやすいところに監禁するなよ!」とか,「逃げた娘は海に飛び込み,海中で両腕をしばっていた縄をほどく!←おいおい武装テロリストなのにどんだけ緩い縛り方してんねん! 」…などなど,いくらなんでも映画ならどんなしょぼいやつでもこんな安易な展開は許されないだろうという事態が連発。しょせんテレビドラマ・クォリティーか。あと,最高機密の場であるはずのCTU本部でうろちょろして「ジャック…ジャックに会わせて!」と,テロリストと死闘を繰り広げている最中の職員たち(含ジャック)を困らせる超KYの嫁とか。

まあ,最後のどんでん返しはそれなりに驚いたけど,そのころには「正直ストーリーがどう転ぼうがどうでもいい」という感じだったので,驚き効果も半減。

シーズン2はもう観ない。