フィッシャー・キング (1991) ★★★★

監督:テリー・ギリアム、主演:ジェフ・ブリッジズ、ロビン・ウィリアムズ

トラウマを背負ったホームレスとそのトラウマと密接に関わった別のトラウマを持った元ラジオDJの交流を描いた話。主演のジェフ・ブリッジズとロビン・ウィリアムズの隙のない演技と脚本の良さで、鉄板のハリウッド的ハートウォーミング・ストーリーになっているが、テーマはかなり重いので、その落差にテリー・ギリアムの底力を感じる。ただ、ギリアムにしては、悪意がなさすぎるストレートなエンディングなので、そのあたりは物足りないと多くのギリアムファンは感じているだろうし、ぼくもそう感じた。ロビン・ウィリアムズの「善人毒」にやられてしまったのか。とはいえ、セッティングはまったく違っても、「ブラジル」「バロン」などに通じる、ギリアム印の「ファンタジー」色はそこらかしこに見え隠れして、いとおかし。