キューティー・ハニー (2004) ★★★★

キューティーハニー [DVD]


director: 庵野秀明
screenwriter: 高橋留美、庵野秀明

あらすじ:
宇津木博士(京本政樹)が謎の怪人ゴールド・クロー(片桐はいり)に誘拐されてしまった! さあ、行け、ハニー(佐藤江梨子)!

リビュー:
なんていいますか、庵野監督、オタク文化ということを免罪符にしてませんか? なんか、プロットが超安っぽいんですけど…。怪人たちも、いわゆるひとつの戦隊モノからとびでてきたようなヒトたちばかりで。「正統的な戦隊モノをあえて再現したんだ!」ということを免罪符にして、「まあ、造形が適当でもいいや」と思ってやしまいか。「愛が勝つ」というテーマも、まったく深みも味わいもない、まさに子供だましのもので、「まあまあパロディなんだから」という言い訳が映画からにじみでているようなのがムカつく。本気で勝負しろやゴルァ!

それでも、個人的にはキッチュなセクシー馬鹿映画として楽しんでしまいますた。とにかくサトエリが良い。顔の骨格が立派さと、東洋人離れしてなさすぎな目鼻立ちが、ハーフっぽい原作のハニーとはかなり印象が違うけれども、肉体のシルエットの美しさ、そして身体のやわらかさはまさに最高! てゆうか超脚なげー! ハニーの躍動感がよく伝わってきますたですよ。もうちょっとウェストが細ければ完璧なんだけど。あと、ハニー衣裳のとき、肌と思えるところが肌色のナイロン着なのが萎えるね。

まあ、そういう文句はあるものの、原作よりは現代アニメを模した馬鹿っぽい演技も奇跡的に空回りせず、「友情」そして「孤独」というサブテーマも寒くなってない。てゆうか、「愛」というテーマは非常に描きかたが薄くてつまらんけれども、「友情・孤独」というテーマの描きかたは意外に丁寧で、正直2度ほど目頭が熱くなりましたよ。くっだらねえと思いつつも。下↓は、頭がパーなゆえに友達ができなくて落ち込むハニー。脚なげー

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それから、マンガを模したアクションCGは予想以上のスピード感とオリジナリティーで、とてもよかった。ただ、ラスト2人との戦いはいかにもショボく、なんとかしてほしかった。てゆうか、この映画、ハニー、公安の秋夏子(市川実日子)、新聞記者の速水青児(村上淳)の善玉3人が魅力的に描かれているのに対して、悪役のキャラが空虚すぎ。かろうじて執事(手塚とおる)が良いぐらいで。そこがこの映画の大きな欠点やねえ。