ターミナル (2004) ★★

The Terminal
director: Steven Spielberg
screenwriter: Jeff Nathanson, Andrew Niccol

飛行機の中で観ました。飛行機のなかで映画を観るというのは当然コンディション的には非常に悪いわけで(まあ、いつもDVDで観ているのも映画観賞環境としては良いとはとてもいえないが)、それゆえ、ちゃんと観たい映画は飛行機の中では観ないようにしています。かといってまったく興味ない映画も観ないわけで、自然と、飛行機の中で観るのは、「観ても観なくてもどっちでもいいけど、まあ、ちょっとぐらいは興味あるんで暇つぶしに観てもいいかな」という映画ということになります。ということで期待値は低いわけですね。

で、この「ターミナル」もそんな期待値の低さのまま観たのですが、その低い期待値をさらに下回る出来で、びっくり。「英語もはなせないロシア圏の小国のツーリストがNY観光に来た。ところが、飛行機の移動中にクーデターが起こって国が変わってしまい、パスポートが無効になってしまった! 入国もできない! さあどうする?」という出発点は良いとは思うんですが、それ以外がもう「ありえねー」という展開の連続。ツッコミどころも満載。

いや、コメディですからね。「ありえない展開」でも全然良いんですよ。ただ、そのためには、ちゃんと「ありえないワールド」を構築してほしい。「ありえねーけど、ギャグなんだから、まいっか」と思わせてほしい。しかし、この映画はなんかリアリティーとギャグの線引きが中途半端で観ていて白けるのよね。トム・ハンクスも、スラップスティック・コメディアンとしては今いち。片言英語が白々しいというか、あれじゃただの白痴だよ。キャサリン・ゼタ・ジョーンズはあいかわらず超カワイイけど、トム・ハンクスとのロマンスっぽい展開も、これまたありえなさすぎというか幼稚すぎて、少年ジャンプのラブコメ並みの展開だよこれじゃ。

落ちまでツッコミどころ満載で、もうスピルバーグはコメディの才能ないからやめとけって感じ。

【付記 3/15】一つ★にしてましたが、部分では笑えるところもけっこうあったし、二つ★に変更しました。しかし、一体何が一つ★で何が二つ★なのか、自分でも判断が難しいです、特にボーダーラインの場合には。