国と郷土を愛する態度を養う

教育基本法が成立する見込みだそうですが、「態度」という表現にこだわる自民党案はやはりひっかかるなあ。要するに「心なんて理想論を言ってたらいつまでたっても国歌国旗が教育現場に浸透しない」と言いたいわけでしょ。オレは個人的には国歌国旗が教育の場に持ち込まれるのは別にかまわないと思うんだけど、こういう形で「浸透」するのはどうもなあ…いかにも日本的なトップダウンだよね。

結局「態度」は目に見えるものだから、統制しやすいというのが肝だと思うんだけど、「国を愛する態度」というものがどういうものかということについての議論もないし、後から如何にでも規定できるという点もどうかなあ。結局、多数派の決めた「国を愛する態度」に従わなければ非国民(というと大げさだが)になるわけで、こういう言葉はあまり使いたくないけど、要するに全体主義的なんだよね。大げさだと思う人もいるかもしれないし、オレも別に全体主義に即そまっていくなんてちっとも思わないけれども、懐にその切り札を隠しもたせることになるのがどうもひっかかる。

ていうか、小泉以降「トップダウン」の勢いがすごいんだけど、どうなんだろうなあ。オレもトップダウン主義者なんだけど、それは個人主義・自由主義の精神が大前提で、そのうえでトップダウンの有効性を考えているのであって、色々問題はあるとはいえ、アメリカ型トップダウンを念頭においての話であります。でも今の日本のトップダウンって、ボトムの自由がどんどん失われてとりあえずなんでもトップダウンって流れで、それじゃ共産主義と大差ないわな。自民党が中国共産党化している今日このごろ。

自民党に投票した人は責任とれよ。