No Country for Old Men (2007) ★★★★(★)

コーエン兄弟の新作。アメリカでは評論家の評価が異常に高く、オスカーの目玉になるのが確実な作品。人を食った喜劇が多いコーエン兄弟だが、今回は、デビュー作「ブラッド・シンプル」(1984)、オスカーにノミネートされまくった「ファーゴ」(1996)以来となる、冷たく、バイオレントで背筋が凍るような映画。今回の悪役のハヴィエ・バーデムは映画史上に残るヴィランになることが確実の、非常にインパクトのある恐ろしいサイコパス。プロットにほころびはあるが、それを気にさせないほどの緊迫感と、定石をあえてはずした、考えさせられるエンディングに脱帽。全編テキサスなまりの英語で会話の妙を聞き取れなかったのが悔しい。DVD買って見直せば映画を100%楽しめると思う。ので、保留付きの★★★★(★)。