センター試験は年複数回開催をすべきだと思う

「再試験対象者、最多1211人 センター試験

 20日に全日程が終了した大学入試センター試験で、試験中にトラブルが起きて再試験の対象となった受験生が、19日分だけで8会場で過去最多の1211人に上った。ほとんどは英語のリスニングが対象で、センターはそれぞれのトラブルの原因を調査し、再発防止に取り組むとしている。
 再試験対象者の約7割にあたる855人は、自動消灯システムを解除し忘れたためリスニング中に全教室の照明が消えた成蹊大(東京都)での受験生。日本文理大(大分県)ではリスニング中に受験生の携帯電話の着信メロディーが約30秒間、鳴り響いたため、この教室にいた持ち主以外の178人が再試験を受けられるようにした。

(中略)

対象者は07年が130人、06年は182人で、実際に再試験を受けたのは07年が17人、06年が15人だった。

http://www.asahi.com/life/update/0120/TKY200801200152.html

毎年増えそうな予感が。受験生の多くにとってはこの2日は人生を左右可能性のあることなので、神経質になるのは当然だし、問題がなくなることはないでしょう。

結局、「年にたった一度のチャンスで人生の方向が決まる」から、たかがマークシート試験でこんなに大事になるわけです。以前から主張しているように、センター試験は年間に複数回実施すべきだと思いますね。そうすれば各回の重みが軽減されるし、受験生には「再チャレンジ」の機会が常に与えられるようになります。2ヶ月かせめて3ヶ月に1度ぐらい実施すれば受験者もばらけるんじゃないでしょうかね。

もちろん、そのためには、大学入試センターの役割と構成を根本から見直さなければなりません。現在のように、試験監督から試験問題作成まで大学教員に頼っているようでは駄目です。試験官から作成担当者まで、センター内部でまかなえるよう、組織を拡大する必要があります。世の中には職のない博士号・修士号取得者は山ほどいるのですから、人材に事欠くことはないでしょう。受験料を上げる必要も出て来るでしょう。しかしそれでも、現状にみられる、全国の全受験生を集めて一斉に同じ時間に「せーの」で始めるということにつぎ込まれる馬鹿馬鹿しい労力と、「一発勝負」の理不尽さを考えれば、十分検討に値することだと思います。

また、もしセンター試験(現在のセンター試験の形式を再検討して別の物にすることも考えられます)を複数回実施することになれば、AOや推薦入試でセンター試験を利用することが増えるでしょう。そうなると、1月〜3月に一斉に入試をやるという現在のいわゆる「一般入試」制度も一気に下火になっていくものと思われます。私立大学は、現在のような「1〜3月に一斉入試」の形だと、センター試験を利用したくてもどうしても「国立受験のついで」にされることが多く(つまり、合格者が入学手続きしてくれない)、「センター試験使いたいけど今いち使えない」状態が続いていますが、複数回実施によって、この状況は変わるでしょう。(もっともそういう変化は国立大には歓迎されないと思いますが)

さらに、複数回受験を可能にすることによって、文科省が強権を発動して、大学入試には原則センター試験利用を義務付けるというふうに決めるのも良いかもしれません。「高校卒業認定試験」をやるより、「大学出願資格を得るにはセンター5科目受験必須」などとした方がよっぽど現実的であるように思います。

ということを毎年思っており、これからも毎年書くと思いますが、よろしくお願いします。って何を?