スティーブン・キング原作,フランク・ダラボン監督(「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」)のSFホラー。
最初の数十分の抑えた演出は良いのだが、モンスターの片鱗が見えるとこから次第にへろへろに。70年代の(古き良き)B級ホラーを見ているようで、そのチープさやキャラのベタさに爆笑の連続。ロープを引っ張ったら食いちぎられた下半身がずるずると…というシーンなど、B級ホラーの笑いのツボをよくとらえてらっしゃる。話が進むにつれプロットはますます馬鹿馬鹿しくなっていき、モンスターが出てくるシーンはまるでテーマパークのなんたらライドに載っている感覚で恐怖より笑いが先を行く。で、主人公の「やればなんとかなるんじゃないか(根拠ないけど)」という無計画さにだんだんかったるくなってきたところで「衝撃のラスト」。…衝撃というよりただのアホとしか思えなかったけど、まあ人間なんていざとなったらあの程度のアホな行動しか取れないんだろうな。まあ確信犯的なB級ホラーとしてそこそこおもしろいかな…と思ったら監督が「ショーシャンクの空に」のフランク・ダラボンだって。もしかして本気だったの? サイコロジカル・サスペンスのつもり? いやいや、まさかね。
★★かとも思ったけど、ここ20年のホラーの定石をことごとくはずす非人道的なブラックジョーク・シーンがたくさんあって笑えたというのと、最後の方に出てきたラヴクラフト的モンスターのコズミックな存在感がとても良かったので★★★。