エイリアン3 (1992) ★★★

初見。D・フィンチャー初監督作品だったのか。フィンチャーらしいスタイリッシュかつ悪趣味な絶望感に満ちた世界を堪能できるが、前2作にあった着実な登場人物の性格設定がないのでまったくストーリーに入り込めない。エイリアンとの鬼ごっこもわかりにくく、駄作と言われているけど、フィンチャー・ファンなのでこれはこれでアリだと思った。ということで★は一個おまけ。

ちなみにこの「エイリアン3」のメイキングは非常におもしろかった。最悪に製作現場が混乱していたことが浮き彫りになっているから。フィンチャーの前に2人も監督が降板していてフィンチャーは3人目の監督だったらしい。2人目の監督の脚本に基づいて美術セットがすでに完成していたのに、映画会社が脚本に駄目出しをし、かといってセットを作り直すお金も時間もなかったため、「脚本未完成、セット完成、公開日がひたひたと近づいている」というわけのわからない最悪の状況下、現場に乗り込むはめになったフィンチャー、初監督作品、しかもメガヒット作の続編。ううっ、かわいそう。

ちなみに「初のCGエイリアンだ!」かと思ったら、メイキングを観たら、あれはCGではなくて、縮小パペットをブルースクリーンを背景に別取りして合成したものらしい。