ボルベール (2006) ★★★★

アルモドヴァル監督,ペネロペ・クルース主演。

一貫して,奇抜かつシニカルなプロットの中に普遍的な人間のつながりの暖かさを描いてきたアルモドヴァル監督だが,母娘の愛がテーマの,コメディよりの本作品もアルモドヴァル印に満ちていて,ある意味安心して身をまかせられる。ハリウッド映画では微妙なペネロペ・クルースも,アルモドヴァル作品では光り輝く。濃密な「オール・アバウト・マイ・マザー」や「トーク・トゥ・ハー」に比べると薄味だが,関西のうどんつゆのように味わい深い。