ビッグ・フィッシュ (2003) ★★★★

Big Fish
director: Tim Burton
screenwriter: John August

ビッグ・フィッシュ コレクターズ・エディション [DVD] なんか洋画観るの久しぶりな気がする‥。というわけで、この映画観たんですが、評判悪かった2001年の「猿の惑星」をはさんで、1999年の「スリーピー・ホロウ」以来の久々のティム・バートンらしいファンタジーでした。抜群の話術ですべての出来事を大々的に脚色してして話す父。セールスマンだったために留守がちだった父の人となりを父の話からしかうかがいしることができない息子は、すべての話をおとぎ話のようにしてしまう父に対してついに切れて、断交してしまう。しかしそんな父が危篤になり、かけつけた息子は今度こそ「本当の父」を見極めようとするが‥。

映画は、父の語る、「ホラ」と言っていいほどの脚色されたストーリーを軸に進みます。まさに虚実ないまぜで、息子と同じく、いったいどこからどこまでが本当の話なのか、映画を観る我々もわからないまま事が進行します。しかし、父の「想い出話」で活躍する若き日の父を演じたユアン・マクレガーの好青年ぶりもさることながら、老いた父(アルバート・フィニー)の南部なまりの語り口が魅力的で、そこに惹きこまれます。さながら南部の吟遊詩人のようですね。

最後の方の演出とか、なんとなく詰めが甘い気がしないでもないし、途中ちょっと退屈になったところもなきしもあらずですが、全体としてはほろりとくるバートンらしいファンタジーで、「猿の惑星」でのダメージから回復するためのリハビリ作品としては上出来なのではないでしょうか。ええ。