ダークマン (1990) ★★★★

監督:Sam Raimi

ここ最近のハリウッドは、「アメコミ(しかもダーク系)の実写映画化」がひとつのトレンドであるように思うが、この「ダークマン」は原作こそないが、「ダーク・アメコミの映画版」の先駆けのひとつとも言える作品だと思う。前年にティム・バートンのダークな「バットマン」があるが、「スポーン」や「Xメン」などの「人体改造系あるいは突然変異系ヒーローもの」の正統な先駆は「ダークマン」である感じがする。作品を追うごとに顕著になっていくサム・ライミの、ズーム・インやパンをこれでもかと多用した「劇画的テクニーク」もここで、当然活きている。

と同時に、この路線で良いのはここまでという気がする。次の「Army of Darkness」(1992)や豪華キャストの「The Quick and the Dead」(1995)(←きちんとみてないので今回は感想なし)も同じ劇画路線だが、もうひとつキレがないというかマンネリ。ということで、サム・ライミは次の「Simple Plan」(1998)で路線変更することになる。 (12/31/2000)