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成果主義で手取り月2万円 社員の訴え、和解し制度改正

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http://www.asahi.com/national/update/0121/TKY200601210241.html

 成果主義で給与が大幅に減り、手取りが月約2万円になった富士火災海上保険(本社・大阪市中央区)の男性社員(53)が、従来通りの額の支払いを求めて法的手段に訴えた結果、同社と和解して解決金が支払われた。同社は併せて給与の最低水準を引き上げる制度改正も決めた。
 男性は昨年7月、東京地裁に賃金支払いの仮処分を申し立てた。前月に口座に振り込まれた手取り額が2万2632円しかなかったため、「生存権を侵し、憲法に違反する」と訴えた。
(中略)
 男性の6月の給与は本給と諸手当の計約19万円からペナルティー分の約7万4000円が差し引かれ、額面約11万5000円。ここから社会保険料などが引かれ、実際に口座に振り込まれたのは2万2632円だった。
 男性は「これでは死ねと言われているに等しい」と、直前3カ月の給与の平均額(額面約22万円)の支払いなどを求めて仮処分を申請した。

額面11万がなぜ手取り2万になるのか良くわかりませんが(「ペナルティ」で引かれたのが7万だったわけだから、成果ペナルティがなくても手取り10万行ってなかったていうこと?)、でもまあ、給与振込をみて2万円だったらショック大きいだろうなあ。既婚で子供もいるみたいだし。

こういうことも人ごとではなく、人事院勧告に「給与ベース下げ、成果主義導入」が盛り込まれたため、人勧ベースで給与体系が決められていることが多いダイガク(ワタクシリツ含む)でも「成果主義導入」という動きが出てくるようになりました。オレの勤務先でもそういう動きがあります。

成果主義の是非はともかく、気になるのは、「成果主義」ということが雇用者側に都合の良い風に利用されやすそうだというところですね。オレの勤務先でも理事側は「頑張ったヒトが今より給与をもらえる」と言うわけだけど、当然「全体的な人件費も下げたい」という思いもあるでしょうからね。今の定期昇給システムだと雇用側は基本給は勝手にいじれないけれども、成果というファクターが入ると、さじ加減次第ではどうにかできるからね。

それからこういうニュースもありました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060118-00000148-jij-biz

NTT、年齢給4月から廃止=成果主義を徹底

NTTは18日、グループの一般社員の人事・給与制度を4月から変更すると発表した。基本給のうち、勤続年数に応じて増える「年齢給」を廃止し、一律の定期昇給を撤廃。毎年の評価に基づいて累積加算される「成果加算」も、一定等級以上の社員は低評価となった場合、前年より加算額が減る仕組みを導入し、成果主義を徹底する。

こういう流れも珍しくはないのかもしれませんが、勤続年数による昇級を完全に廃止するというのもどうなんでしょうかね。年数による無形の経験とか、それをもとに後輩を教育するとか、そういうファクターはゼロ扱いで良いんでしょうか。ただいるだけの給料ドロボーのようなヒトを基準に勤続年数ファクターを切ってしまうというのもどうなんだろうと思ったりします。

まあ、仮にそれも良しとしましょう。で、そこまで「成果」中心で行くならば、他の年齢ファクターをなくせと言いたい。例えば、日本に特徴的な「新卒崇拝」。就職浪人を嫌うという慣習ですね。これのおかげで学生は何が何でも4年生の前半で就職を決めようとするので、日本の大学の4年目の教育はボロボロです。新卒じゃないヒトに企業が冷たいのでフリーターやニートも増えます。なぜ新卒がそんなに高く評価されるのかわからない。アメリカでは、そもそも決まった入社時期がない(「入社式」などもない)こともあり、学部卒業してからゆっくり就職を探すというのは珍しくない。

求人の年齢制限も「成果主義」に逆行しているのでやめた方が良い。もちろん、現実的には年齢というファクターを完全に消す事はできないだろうけれども、他のファクターで相殺されることだってありうるし、求人の段階で年齢制限を設けるのは「成果主義」の観点からすると望ましくない。

てゆうか、アメリカで就職活動をし(てまったく箸にも棒にもかからなかっ)た経験からすると、日本の求人って無意味な縛りが多くてそういう意味で異様かつ不条理。あと、成果主義の観点からすると定年制度もなくした方がいいね。成果を上げていれば年齢は関係ないはず。

「成果主義」導入を叫ぶのもいいけど、給与カットとか、そういう雇用者側に都合の良いところばっかり採用しないで、根本の思想をちゃんと取り入れて欲しいものやね。