偏差値操作?

この受験の時期、某メガ掲示板で自分の大学の受験スレ覗いてみたりすることもあります。もちろん書き込みません。で、自分が内情を知っていると、ああいう匿名掲示板の情報というのはかなりテキトーだということが分かりますね。もっともらしい情報に限って実は全然ハズレていたりします。自分が業界関係者でない分野の板を見るときは注意が必要だとあらためて思います。

ちなみに、毎年合否判定の季節に見かける情報に、「全入時代だから、大学は偏差値を上げようとしているから、合格者を絞ってくるかもしれない」とか「偏差値が下がらないように合格最低点を調整してくるだろう」というのがあります。しかし、大学関係者からすると、「ありえねー」という感じです。

なぜありえないか。以下に良い子のみんなのために理由を列記しましょう。

  1. まず、合格者数をちょっとぐらい絞ったぐらいでは偏差値は上がりません。
  2. それ以前に、大学は偏差値をそれほど重視してません。大学が重視するのは志願者数です。
  3. しかし大学が志願者数よりはるかに重視していることがあります。それは入学者数です。現状ではどの大学も経営が厳しい。そして、大学の経営の土台を成しているのは(特に私学では)学費ですから、大学の経営陣からは、「とにかく許される限り、たくさんの学生を取れ」という至上命令が出ています。

ちなみに良い子の皆さんはご存知かどうか知りませんが、大学には「定員」が決まっています。そしてこれには文科省が非常に厳しい目を向けています。定員を割ると大変なことになります。しかし、超えすぎても、「教育の質が下がる」ということで怒られます。大学経営陣は収入を上げたいわけですから、怒られないギリギリの範囲で、最大限の数の学生を取ろうとします。

教員としては、正直、学生は少なければ少ない方がいいです。もちろん学生にとってもそうでしょう。やはり一人の先生に対する学生数が少ない方が教育としては良いのです。でも、経営を考えると理想論ばかりも言ってられません。それが現実。数の確保が最優先です。ということで「偏差値を考えて合格者数を減らす」ということは絶対ありません。

ただ、推薦枠を増やすことによって一般入試の入り口を狭めようとする動きは現実に多くの大学であるということは否定できないでしょうね。ハイ。学生を確保できる上に一般入試の偏差値が維持できるので、ある面ではおいしい方法です。ただ、学生の質を保てるかという点ではリスクがあり、難しいところです。

オレは一般入試廃止論者なので、どんどん推薦を増やして行けばいいと思いますけどね。ただし、何らかの学力測定テストの受験を条件として。

以上、なんとなくきわどい話題のような気がしないでもないですが、受験生はあまり情報に惑わされず、しっかり勉強すれば結果はおのずと付いてくるとは思います。